旅行に行くとき、空港にどんな飲食店が入っているのかは、個人的になかなか気になるところだ。
最低でも、出国時2回、入国時2回。乗り換えがある場合にはさらに中継地分、と考えてみると、空港という待ち時間の発生しやすい場所では、飲食する機会も自ずと多くなる。
日本の空の玄関、成田空港と羽田空港は、ともにその規模の割に飲食店は多めな印象。キャパシティはともかく、お店の数は多いので選択肢は豊富と言えるかもしれない。ただ、値段が高いうえに、正直美味しいものにありつくのは難しい。なので、日本の空港では、最近はカフェを利用するくらいで、何か食べに入ることはほとんどない
旅先での美味しいものを期待して、我慢する
これにつきる。
同じように、機内で出てくる食事も無理して食べないようにしている。これは本当に最近、できるようになってきた(笑)。
長いフライトだし、高いチケット代に食事も含まれていると思うと、以前はなかなか残せなかった。地上でなら絶対に食べないような味のものでも、つい完食していた。しかし考えてみたら、これからどんなものに出会うかわからない時に、不味くて身体に悪い食事でお腹をいっぱいにするのは、どうももったいない。やっとそう思えるようになってきた。
好きなものや美味しいと思う部分をちょこっと食べて、あとは適度にアルコールを楽しむと、体調的にも悪くなく、より快適に空の旅を楽しめるようになったように思う。あとは意識的に水分をとって、アイマスクとマスクで寝られるだけ寝る。現地の時間に合わせて起きるような感じになれば、機内の過ごし方としてはベストではないか。
日本の空港では飲食店素通りの私だが、留学中に度々お世話になったエディンバラ空港では、時間のある時には決まって入る店があった。イギリスのパブチェーン、「wetherspoonウェザースプーン」の店舗だ。
ウェザースプーンは、英国においてはいたるところで遭遇するほどの大手パブチェーンで、とにかくパブで食べたいなと思うものがだいたい揃っていて、しかもリーズナブルに楽しめる。もちろん、飲み物も普通のパブ並みに豊富だ。日本のファミレスみたいなものかもしれないが、それより値段は少し高め、クオリティはこちらの方が断然高いと思う。英国へ来て、初めての土地でどこに入って良いかわからない、という場合でも、とりあえずウェザースプーンを探してみると、ハズレがなくて良いかもしれない。
無類のchips(フライドポテト)好きの私は、空港店でしょっちゅうシードル片手に皿一杯のchipsを楽しんだものだ。罪悪感を覚えたら終わり、というか罪悪感もスパイス?いや、正直に言えば、周りを見回して罪悪感なんて毛ほども感じることはなかった。肥満率で英国をけん引する、それがスコットランド。
他にも好きだったのが、エッグベネディクトだ。
エッグベネディクトというと、イングリッシュマフィンのイメージがあるが、ここのはトーストが使われていた。それがまた、くどくなく、カリッとした食感も良くて美味しい。ナイフを入れると黄身がとろっと出てきて、たっぷりかかったオランデーズソースと一緒に具材を絡めて食べると、まろやかで幸せな味がする。
エッグベネディクトにもいくつか種類があって、スモークサーモン付きとか、ハギスの入ったのもあった。ある時はアスパラ付きがあったが、次に頼もうとしたらメニューになかったので、折々に変わるのだろう。
エディンバラ空港の場合、ウェザースプーンは出国セキュリティの前にも後にも店があるので、自分一人の時だけでなく、見送りにきた人と一緒にゆっくり別れを惜しみながら…という使い方ができるのも有難い。
空港自体はそれほど大きくないが、飲食店にしても、コンビニやお土産ショップにしても、過不足なく揃っていて、スコットランドの玄関口として必要十分な機能を果たしていると思う。こじんまりして、ファイナルコールに慌てて端から端まで走っても問題なく間に合うくらい。私にとっては、とても居心地の良い空港だ。
ちなみに、このエッグベネディクトやトラディショナル•ブレックファスト(フル•ブレックファスト)はブレックファスト•メニューで、お昼一二時までの注文。エディンバラ空港のウェザースプーンは早朝から最終フライトの時間までやっていて、他のパブメニューは終日楽しめる。空港でお腹が空いたら、是非行ってみてほしい。
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