2016年ベルギーの旅、総集編として、ぶらぶら歩いた街並みや訪れた場所などをご紹介したいと思います。
ベルギーはおおよそ三つの街に観光スポットが集中していると言いましたので、場所別に見ていきましょう。
まずはアントワープ。
「パトラッシュ…何だかとても寒いんだ…」
という件のアニメ。感動のラストシーンでネロ君が天昇していった、大聖堂のある街です。
ブリュッセルからは、電車で40〜50分ほど。乗り換えの必要もないので、小一時間、安心して車窓からの眺めを楽しむことができます。
着いた瞬間から、物語の中に迷い込んだかのような趣を感じさせてくれるアントウェルペン(アントワープ)中央駅からスタート。
世界の美しい駅ランキングでは常に上位にくるという、荘厳な建物です。ドーム型をした、バロック調の高い天井は、誰が言ったかまさに『鉄道の大聖堂』。日の光が燦々と降り注ぐ構内は、どこか神聖さをも感じさせる空間です。
雰囲気の良いカフェも併設されていました。
ここから少し距離がありますが、トラムか、大通りを歩いても行けるのが、こちら。
ノートルダム大聖堂。
「ノートルダム」というのは、「我らが貴婦人」という意味のフランス語で、聖母マリアを表す言葉だそうです。したがって、ノートルダムの名を持つ教会は世界のいたるところにあるのですが、ネロとパトラッシュが目指したのはここ、アントワープのノートルダム大聖堂でした。
こちらで見ることができるのが、ルーベンスの傑作たち。
「キリストの昇架」、「キリストの降架」、「聖母被昇天」、「キリストの復活」などなど。
ネロ君が最後に見たのは、どの絵だったでしょうね。
真剣に芸術鑑賞してもしなくても、お腹はすきます。
アントワープには、ワッフルやチョコレートをはじめ、美味しいスイーツのお店がたくさんあります。
大聖堂を見終えたら、散策しながらショップ巡りも楽しみの一つ。
この街での心残りは、デルレイの本店とダイヤモンド博物館が、揃ってお休みだったこと。またリベンジしたいところです。
翌日は、ベルギーのヴェニス、ブルージュへ。
中世の可愛らしい街並みを歩くのも良いですが、張り巡らされた水路から、ちょっと視線を変えて楽しむのも、おすすめ。
暑い時期でしたが、中心部以外はあまり人もおらず、のびのびと散策できました。
少し外れにある、レース・センターでは、ブルージュの歴史とともに培われた伝統技法を学び、体験することもできます。もちろん、レースを購入することも可能です。
欧州では、昔から貧しい家庭の女性の仕事としてレース作りが発達してきましたが、もはや芸術の域に達したアンティークレースの数々をみていると、その苦労がここまで昇華したことに、感嘆を禁じえません。
展示には日本人のレース作家の女性も登場し、異国の手仕事を学ぶ姿がたくましく描かれていました。
そんなブルージュの伝統工芸、レースのボビン編みは、今もしっかりと受け継がれているようです。
さて、水の都を堪能したら、列車で約1時間、ブリュッセルへ戻りましょう。
いささか不遜なお出迎え。
グランプラス周辺から。
こんな本屋があったら、用がなくてもついついふらっと、入ってしまいそうです。
歩き疲れたら、グランプラスのアーケードでカフェに入っても良いですね。
有名なチョコレートショップやレースの店が軒を連ねるアーケード内は、見ているだけで楽しいエリアです。
少し離れて、王宮近くにはちょっと変わったミュージアムも。
古今東西、世界中の楽器を集めた博物館です。こちらは、たまたま道案内してくれた地元の大学生のおすすめで、なかなか面白く、じっくり見ていると意外に時間が経っていてびっくり。
さらに少し離れて、アンティークやアートショップの並ぶエリアを抜けた高台にあるのは、欧州最大規模の裁判所。
残念ながら閉まっていたのですが、本来は内部も公開していて、内覧できるそう。外観だけでも荘厳で見応えのある建物でしたので、今度は是非入ってみたいものです。
ただこの裁判所、なぜか廊下に人糞が。周辺にホームレスが何人かたむろしていたので、おそらくは…
正直、あまり思い出したくない。
嗅覚というのは記憶と密接に関わっているものなのだと、この時のことを考えるたびに実感します。
こんなに美しい日だったのに。
気を撮り直して、最後は爽やかな、美味しい記憶で締めくくりましょう。
ブリュッセルの若者に人気だという、おしゃれなカフェへ。
「もしかしたら並ぶかもよ〜」というホテルの人の言葉でしたが、開店から30〜40分くらいの昼前の時間だったせいか、すんなり席につけました。
店員さんの接客もフレンドリーで気持ちが良い。
食事系のワッフルが食べられるという、ベルギーでは変わりダネのお店です。
評判なのは、ワッフルのエッグベネディクト!
美味しくないわけがない。
トッピングにはサーモンをチョイスして、おすすめされた、ちょっとスパイシーなオーロラソースをかけていただきます。
サーモンのトロリとした舌触りと塩気、そしてこちらもトロッとした卵の黄身と、ふわふわの白身が、なんとも言えない幸せな食感を生みます。
さらに、下に敷かれたワッフルの生地が全体を包んでくれ、後からほんの少しピリッとするソースが味を引き締める。
お店の雰囲気に押されて、ピンクレモネードなどという女子力の高いものを頼んでみたのですが、見た目も味も、まさにぴったりでした。
1人で食べていると、今っぽい若者のグループが隣の席に。
店員さんに
「辛いソースって、辛いの?僕辛いのダメなんだけど、やっぱり辛いの?」
と聞いています。
すると、店員のお兄さんがくるっとこちらを向いて、
「どう思う?辛かった?」
と聞くので、
「いや、全然感じなかったよ。ほんのすこーしピリッとして美味しかった」
と愛想を振りまいて援護射撃。
「わかった、それにするよ。ありがとう!」
爽やか男子のお礼にメントールの風が吹き抜けたようでした。
そうかーリア充の人たちはこんな感じで日々楽しんでるのかー。
勝手なことを思いながら、ベルギー旅行最後の食事を終えたのでした。
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