絵になる街Ⅱ アレッツォの骨董市と生ハムメロン

イタリアで食い倒れ
イタリア、トスカーナ、アレッツォの街並み

前回、イタリア鉄道のチケットをネットサイトから取る方法を解説しました。

折角なので、今回はフィレンツェを起点に列車で気軽に訪れることのできる、イタリア中部の街、アレッツォについてご紹介しようと思います。

アレッツォは紀元前からの城塞都市で、今はアンティークの街として有名です。

その美しい街並みを舞台に撮影されたのが、あの「LIFE IS BEAUTIFUL ライフ・イズ・ビューティフル」。

戦争映画なのに愛に溢れていて、でもやっぱり切なくて、私はこの映画がとても好きです。ひたすら悲惨な、ユダヤ人のプロパガンダ的な意図を感じさせるものとは一線を画す、名作だと思います。

そんな名画に登場するシーンをいたるところで見つけられるのが、アレッツォの旧市街。駅から通り沿いにまっすぐ歩いて10分かからない距離にあります。

普通の日に散策するだけでも十分に楽しめる、面影ある古都ですが、毎月第一日曜とその前日の土曜にはかなり大規模なアンティークマーケットが開かれることでも知られています。さらに、6月の最終から数えて2つ目の土曜日と9月の第一日曜日には、伝統行事『サラセン人の馬上槍付き試合』なるものが開催されるとのこと。

私がアレッツォを訪れたのが、まさにこの9月の第一日曜のあたりでした。アレッツォの街とアンティーク市にはまってしまい、半日ずつ、2日間に分けて通いました。

お祭りだからか、一面に洗濯物に模したと思われる色とりどりの布がはためいていた旧市街。

イタリア、トスカーナ、アレッツォの街並み

馬上槍試合に参戦すると思しき(暫定)サラセン人たちの姿もありました。

2通りの配色の衣装を見たので、チームで対戦するのでしょう。それぞれ集まって、なにやら作戦会議。見ている分にはワクワクしてなんだか楽しいのですが、天気がよかったこともあり、着ている方はかなり暑そうでした。

アレッツォの馬上槍試合に向け、作戦会議中のサラセン人

お祭りも良いけれど、我々の本命はもちろん、月ごとの定期市としては欧州最大規模のアンティークマーケット。

広場からさらに奥の丘の上あたりまで、かなり坂道を上がります。よくあることですが、旧市街は石畳が多い上、アレッツォはかなり起伏があるので、歩きやすい靴で行かれることをおすすめします。

坂を登り切ると、長い道沿いにずらっと骨董品が姿をあらわしました。

アレッツォの骨董市

高価なアンティークから、ガラクタのようなものもあれば、手の届くくらいにお手頃で可愛らしいカップやスプーン、小物なども。こういうところに来ると、日本では手に入りにくい美しい家具なども多く置いてあって、持って帰れないとわかっていても、ついつい欲しくなってしまいます。もちろん、見ているだけでも楽しいです。

アレッツォの骨董市

豊かな景色の中でアンティークを眺めることができる、とても贅沢な時間でした。

イタリア語しか話せない人も多く出店しており、身振り手振りで四苦八苦しながら交渉するのも良い経験になります。数字だけでもイタリア語ができると、かなり楽しくなるはずです。

街中にはアンティークショップも沢山あって、それらはもちろん平日も開いているのですが、アレッツォを訪れるのなら、是非、骨董市のある日をおすすめします。

中世の街並みや木々に囲まれたアンティークのなかをぶらぶら歩くだけでも、思い出深い旅になることでしょう。

ただ、奥の方まで来てしまうと周辺にお店などはなく、じっくり見ていてお腹が空いても、気軽に腹ごしらえができないのが難点と言えるかもしれません。

さらに、この時はお祭りのせいか、街中の飲食店も閉まっていたり人がいっぱいであったりして、結局アレッツォの駅前まで戻って来てカフェでパニーニを食べて済ませることになりました。

アンティーク好きとしてはもちろん、再訪したい街の一つであり、噂によると、アレッツォには美味しいお店が沢山あるとのことですので、今度行く機会があれば、その辺りもじっくり開拓できたらと思います。

アレッツォは、フィレンツェから特急で30分くらい。各駅停車でも1時間から1時間半ほどで行くことができます。鈍行のチケットは2等で8.6€なので、当日に券売機で買っても良いのですが、試しにネットサイトから購入するにも手軽な距離と金額ではないでしょうか。

宜しければ、前回の記事をご参考にどうぞ→トレニタリア公式サイト

さて、残念ながらアレッツォでご馳走にありつくことが出来なかったので、その後フィレンツェでは市場とスーパーへ直行。

アパートへ帰って、新鮮なメロンと、ちょっと高級なスーパーでスライスしてもらった生ハムで乾杯となりました。

メロンの味が濃く、かつ瑞々しくて、えも言われぬ美味しさです。しかもたっぷり食べられるという幸せ。

あっさりした微発泡ワインがまたよく合いました。ずんぐりした瓶が可愛らしいランサーズは、赤と白とあり、驚くほど安くていくらでも飲めるような口当たりの良さが特徴。同行していた方が「昔は日本でも売っていた」と懐かしがって購入されたのですが、今も日本で手に入るのでしょうか。

フィレンツェ、アルノ川沿いのアパートで

市場で買った大きなナスやズッキーニをオリーブオイルで焼いて塩でシンプルに味付けし、評判のフォカッチャ屋で少しずつ購入したビスケットも並べれば、美味しいものづくしのディナーに。

食べるだけ食べ、飲むだけ飲んだら、あとはお財布や帰り道の心配をせずにバタンキューできるのが、アパート滞在の良いところです。

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