先日、フィンランドはトゥルク滞在について書いたので、次はそこからのエクスカーション(小旅行)先として、世界遺産ラウマのことを紹介しようと思っていました。
が、たまたまイタリアの列車のチケットをオンラインから手配する機会があり、サイトがだいぶ使いやすくなっていましたので、今回はこちらを活用する手順を解説してみようと思います。英語が苦手な方でも、順番を確認しながらスムーズに予約ができるようにしてみました。
イタリア鉄道、Trenitaliaトレニタリアのネットサイトといえば、昔から海外からの予約が取りにくいというのでちょっと有名でした。私も何年か前にここからチケットを購入した際には、反応は悪いし何故か思ったように条件が選択できなかったりで戸惑った覚えがありますが、久しぶりに訪れてみると、かなり扱いやすくなっていました。
また、何故かバラバラの場所に取られていた座席指定や、複数のチケットを何度かに分けて取るためにインターバルが必要(続けてチケットを取ることができず、一度で全て取りきる必要があった)、などの不可思議な設定も、改善されていました。
相変わらずチケット購入のカウントダウンはされるものの、一つずつの旅程を考えながら取る余裕ができました。
せっかくなので、イタリア旅行で列車移動される方、特に都市間の中長距離移動を考えられている方には、日本語表記がないということに怯まず、インターネットからの事前予約にトライしてみていただきたいです。というのも、イタリア鉄道のネット予約には2つ、明確なメリットがあるのです。
一つは、手間なくスムーズに列車に乗れる、ということ。
窓口の長い列に並んでやきもきすることも券売機に四苦八苦することもないというのはもちろんですが、イタリアの列車に乗る時につい忘れがちなのが“打刻”という作業。チケットを購入したら、乗る時に日時を打刻してから乗らなければなりません。しないで乗ってしまうと、無賃乗車と見なされて高い罰金を払わなければならない場合があります。
ネットから予約すれば、日時はあらかじめ指定されていますので、打刻の必要はありません。メールで届くチケットをプリントアウトして持っていれば、そのまま列車に乗って出発できます。
そしてもう一つ、イタリアの列車運賃は、早期のネット予約が確実に安い、ということ。実際にTrenitaliaのサイトをご覧いただくとわかるのですが、
①乗る時間帯
②列車の種類/速さ
③乗り換えのあるなし
④チケットの種類(だいたい3種類)
⑤サービスのグレード(最大6段階)
などによって、乗車料金が事細かに別れています。特に④チケットの種類と⑤サービスのグレードの組み合わせで値段がぐんと違ってくるのですが、決められた席数があるので、人気のある安いチケットから早くに売れていきます。当然、直前あるいは当日に買うのは、一番高い券になるわけです。
電車というより、飛行機のチケットのようですね。
やはり安いチケットほど、日時の変更ができないなどの縛りが厳しくなりますが、料金設定は、場合によっては半額なんて目じゃないくらいの差がありますので、万一予定が変更になった場合には、買い直しても良いほどの値段、と考えられるかもしれません。
なので、色々選択肢が出てきますが、今回おすすめしたいのは、まず一番安いSuper Economyというチケットと、Standardサービスの組み合わせを目指して買ってみることです。
さらに、最近は土曜限定で2×1のSpecial Offerなどというのもあって、これは一人分の料金で2人のチケットが買えるというもの。Super Economyと見比べて、安い方を選んでみてください。
では、試しに10月、ミラノ中央駅からフィレンツェ中央駅(サンタ・マリア・ノベッラ)まで行く旅程で見てみましょう。
あらかじめ、チケットの必要な日時、そしてクレジットカードをお手元に用意しておくと、途中のカウントダウンであせらなくて良いですよ。
まずはTrenitaliaと検索して、サイトのトップ画面へ。右上に言語を変更するタブがあるので、イタリア語から英語(English)に変えます。
少し見にくいですが、上にある3つの 四角は電車の種類の設定ですので、まずは左のMain Solutionsのままでok。
From出発地、To目的地、Departure出発日時、往復で買いたい方はReturnにチェックを入れると復路の日時が選択できます。右端は大人と子供の人数を入れます。情報を入れたら→SEARCH
7時以降と指定したので、7時からの列車がずらり。
Departure:出発時刻
Arrival:到着時刻
Duration:かかる時間、乗り換えの回数(Change回数、何もなければ直通。乗り換えがある場合はタップすると詳細が見られます)
Train:電車の種類(ここより、Durationを見て判断した方が良いと思います)
一番右が値段です。それぞれの値段の部分(各線)をクリックすると、チケットの詳細が出てきます↓
縦がチケットの種類、横がサービスのグレードです。
今回はおそらく2×1のスタンダードが一番安かったのですが、SoldOut(売り切れ)してしまっているので、次の2×1とプレミアムの組み合わせチケットを選択。右下のChoose the seatにチェックを入れて、CONTINUE。
往復チケットを購入する際は、復路のチケットを選択した後で、まとめて座席指定をします。
こんな画面が出てきても、惑わされてはいけません。
「アップグレードしない?」という有料のお誘いなので、左のI continue without changeを押します。
座席選択画面へ移行しますので、好きな場所をクリック→CONTINUE。
(この時、Coach(車両)も選べますが、イタリアの列車はホームの端っこに止まることがあります。どちらが前後になるかわからないので、両端は避けた方が良いかもしれません。)
ここで個人情報の入力です。
まずはGo on without loginにチェックを入れ、左から、名前、苗字、メールアドレス、確認のためメールアドレスをもう一度、入力。
(任意ですが、電話番号と、Passengers(旅行者)の名前、苗字、誕生日くらいいは入れておくと良いかもしれません。)
同じページの下部に、PAYMENT(支払い情報)を入力する場所があります。
クレジットカードが簡単で良いと思いますが、希望の支払い方法をチェックし、 左下のAccept General Transportation Condition and I have read the privacy disclosures.にチェックをして、CONTINUE。
すると、カード情報を入力する画面が出てくるので、入力し、支払いボタンを押せば、完了です。
チケットを選択してから支払いが完了するまで、勝手にカウントダウンが始まりますが、焦らず落ち着いてやってみましょう。悩んでいると時々、“Do you need help?”みたいなことを聞いてきますが、“No”を押しておけば大丈夫。
タイムアウトしてしまっても、また初めからスタートすれば良いのです。支払いが完了しない限り請求もないので、安心してください。
支払いが終わると、入力したメールアドレスに、バーコード/QRコードのついたファイルが届きますので、画像を保存して取り出せるようにしておくか、印刷して持っていきましょう。
あとは、列車の旅を楽しむだけ。
イタリアの駅には改札もありません。ただ、直前までホームが決まらなかったり変更になったりしますので、注意して掲示板を見ていた方が良いです。心配な時は、遠慮なく係員に聞きましょう。印刷したチケットと掲示板を指差すだけで通じるはずです。
英語ができなくても大丈夫!
さらにいえば、英語の知識も眠っているはずなので、大丈夫!どうしても心配な方は、メモ帳とペンくらい持っておくと良いでしょう。イタリアではローマ字が通じますし、数字は万国共通です。
是非、イタリア鉄道のネット予約に挑戦してみてください。
ちなみに10月の北イタリアは収穫の季節。香り高いキノコが取れ始め、新しいオリーブオイルが絞られ、ほくほくの栗が出回る時期です。
イタリアで秋の味覚、いかがですか。
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