主役になったナスのファゴティーニ

Made in スコットランド
ファゴティーニじゃ無くなったナスのファゴティーニ

好物というのは、お腹いっぱい食べたいのが人情というものです。

しかし、好きなものに限って、少量を楽しむものだったりするのもまた、よくあること。

子供の頃なら夢にみるところが、大人になると欲望に制限がかからなくなります。

私は茄子が好きで、ナスを使った料理ならだいたいなんでも好きなのですが、特に好きなのが、「ナスのファゴティーニ」というもの。

どれくらい好きかというと、焼きなすにたっぷりの生姜とポン酢をかけたのと同じくらい好き。結局ナスが好き。

以前、イタリア料理の先生に教わってから、大好物になったのですが、あまり知られていないと思ったら、こういう名前の料理があるわけではないようです。

グーグル先生に伺ったところによると、ファゴティーニというのはどうやら、リコッタチーズや野菜を詰めたパスタのこと。この料理はナスで他の具材を巻くので、そこから先生が名前をつけたのでしょう。教わった時に伺った話を忘れている可能性もありますが、おそらくは。

このナスのファゴティーニは、正直、少しだけ手間がかかります。

ただ、冷たい前菜として食べられますし、おつまみにも最高に合うので、簡単に作り方を載せておきます。

必要なものは、

• 茄子

• 塩

• バルサミコ

• オリーブオイル

• ニンニク

• 生ハム

• モッツァレラチーズ

• プチトマト

手順はシンプルに。

① ナスを薄く細長く切って、塩を振ってしばらく置いてアクを抜き、水気を拭き取ったらフライパンで両面、から焼きします。

② 焼く間に、マリネ液を作ります。バットのようなものに、包丁の背で叩き割ったニンニク(すりおろしても良いですが、生なのでかなりニンニクの香りがきつくなります)と、オリーブオイルとバルサミコ、そして少々の塩を入れてよく混ぜます。

本物のバルサミコは甘みがありますが、酸っぱい物の場合には、砂糖を加えて煮立たせておくとそれっぽくなります。私は簡単に液状のプルーンを少し加えます。

③ 焼けたナスをマリネ液に浸しておきます。このまま冷蔵庫に入れて何日か持つので、お客さんが来る時などは事前にたくさん作っておいても良いと思います。

④ ナスの内側に生ハムを敷き、プチトマトとモッツァレラチーズを中に入れて巻き、最後にバラバラにならないように楊枝を刺して、完成です。巻く前に、モッツァレラと生ハムは適当な大きさに切って(ちぎって)おきましょう。

基本的に手間のかかる料理はしないのですが、こればかりは、あまりの美味しさについつい作ってしまいます。そして秒速で無くなってしまうのがちょっと寂しい。

スコットランドでの一人暮らしの時も、よくこれが食べたくなりました。

自分で自分のためだけに料理を作る時って、自然と好きなものばかり作るようになるものです。日本ではちょっとお高めの材料も、スーパーで割と安く手に入るのが嬉しくて、どうせならお腹いっぱい食べたいなと思いました。

工程を見てもわかりますが、作れば作るほど手間もかかる料理です。その割に、前菜として食べるのはせいぜい4〜5個ほど。

食べるのは自分だけだし、材料はふんだんにあります。どうにかして、これを手軽に思う存分味わえないかと、欲望のままに思いを巡らせました。

そしてできたのが、こちら。

ファゴティーニじゃ無くなったナスのファゴティーニ

もうこれは、メインと言って差し支えないでしょう。

とにかくどでかい英国のナスを分厚く輪切りにして、同じくらいの厚さに切ったモッツァレラと、生ハムを堂々一枚ずつ、中に入れてミルフィーユのように挟みました。

ナスは念入りにアク抜きをし、味を染み込ませるために、フォークで軽く穴を開け、濃いめに作ったマリネ液に浸します。残ったマリネ液も後からかけて、一口ずつつけて食べられるようにしました。

なんというボリューム。

ナスのマリネまではレシピ通りにして、他の具を巻かずに上に散らすサラダ方式もやって見たのですが、やはりこちらの方が簡単で、見た目にも満足感があります。

欲望の進化はとどまるところを知らず。

ナスとズッキーニ

こんなアレンジまでしましたが、やはりナスが一番美味しい。

まさに黄金の組み合わせです。

難点があるとしたら、ファゴティーニが「中に入れた、入った」的な意味であった場合、すでにこれはファゴティーニでは無くなっているというところでしょうか。

しかし、美味しいのが正義。

とにかくこうして、ズボラな私はまた一つ、前菜をメインにするという新たなステージに立ち、好物を思うままに食べることができたのでした。

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